現役高校教師が舞台俳優やってみた。

小さく生きるしめじが、日々の雑感を綴ります。

旗揚とか。

多くの人の支えがあって、無事に、旗が揚がりました。

 

もう、小屋入りから本番終了→バラシ→打ち上げまで、

あっという間で、夢のようでした。とっても楽しかったです。

ご来場くださったお客様からもお褒めの声をいただき、ご満足いただけたご様子。

公演アンケートも、96%のお客様が、80点以上の点数をつけてくれました。

 

身バレ防止のため写真もアップしないこんなブログでも、

読んでくれる人がいる。嬉しかったです。勇気になりました。

本当にありがとうございました。

 

教師として働き始めて10年。

朝から晩まで、教室、会議室、部活動の場所を駆けずり回る日々。

毎日本当に忙しくて、家と学校を往復するだけの10年。

家は、ただ寝に帰るだけの場所。無為な時間が流れていました。

 

まさかこんな日が来るとは予想もしていませんでした。

自分が、また再び舞台に立って、公演をする日が来るなんて。

 

「もう、教員辞めようかな」と思ったことは、

正直に言うと、一度や二度では済みません。

 

自分のケアもできないほど忙殺されているのに、

どうして家に帰ってまで、他人の子供のケアに心を砕いているんだろう。

 

自分の休みの日を潰して、どうして他人の子供の面倒を見ているんだろう。

 

「夫婦で出かける日を増やしたいから、部活動の日数を増やして。

土日両方、練習入れてよ。うちの子、預かってよ。先生、これが仕事でしょ?」

保護者から面と向かってここまで言われたこともありました。

 

どうして自分は、自分の時間を過ごすことが許されないんだろう。

 

自治体のために、学校のために、他人の子供のために、自分を殺して生きる日々。

 

学校に行きたくなさ過ぎて、何度も布団で「行きたくない」「休みたい」と

漏らしたことは、数え切れませんでした。……結局一度も休まずに出勤しましたが。

妻には本当に心配をかけ、申し訳ないことをしました。

 

旗揚げ公演のカーテンコールで、客席でそっと涙を拭う妻を見たときに、

この道を選んでよかったと、心の底から思いました。

 

この旗は、もちろん僕のものではなく演劇ユニットとしての旗ですが、

同じように苦しい思いを抱えるすべての仕事人に向けた、

「自分を殺さず、大切にしてほしい」「やりたいことをやっていい」

「仕事しながら、趣味を楽しんでいい」「生きたいように生きていい」

そんなメッセージの旗になってほしい。そう強く願います。

 

自分は、教師の才能も俳優の才能もない、ただの一本のしめじですが、

こんなぶなしめじの生き方ですら、きっと誰かの背中を押せると思うから。

この大切な旗を、悠々とはためかせてゆきたいと思うのです。

 

よろしければ、これからもお付き合いくださいませ。

 

ぶなぴー